ネギまバトルロワイアル まとめサイト 別館


短編No46 2度目のバトルロワイヤル-死闘編-

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2006/11/03(金) 22:26:43
ネギま! バトルロワイヤル


「さて、みなさん、お久しぶりネ。あの後あの終わり方はないのではないかという意見があったので
続編が『外の世界』の人間がお話の続きを流してみたいと行ってきたネ」
「フフっ、私? 私は別に構わないネ、暇していたところにちょうどいい実験材料が転がってきたからヨ」
「では、前回のあらすじを私が語るネ」
「第1部正規ルートより8年後の世界、臨時教員となった裕奈サンは再びバトルロワイヤルに参加することになる。
はたして裕奈サンはこのゲームから生き残ることができるのか?」
「が以前のお話ネ、詳しく知りたい人はまとめサイト3の短編集を参考にして欲しいネ
その後の展開は裕奈サンはクラス委員長の雪と合流し、生徒を説得し、
時には自分の常人離れした力をみせての説得も行ったネ。その結果30人中18人の生徒が裕奈サンと共に行動することになったネ、
残りの生徒は殺されたかゲームにのり裕奈サン達に殺された生徒ネ、そして定時放送が流れる寸前の所から物語は再び始まるネ」

もうすぐ流れる定時放送。もしこちらの状況把握が正しければ生徒で残っているのはここにいる18人のみとなる。
現在、裕奈達は首謀者趙錫祢(ちょうすずね)が作った休憩所と見られるロッジに集まっていた。
なにもないと思われたこの空間だったが趙は参加者に配慮との理由でこういう施設をいくつか作っていた。
そして定時放送の時刻が訪れ趙の声で実況が流れた。
「……以上が死亡者です、それとロッジにいる方は、いや全員でしたね、なかにあるTVをつけてください。」
趙から奇妙な指示が飛ぶ、この世界は異空間、TVがあっても放送が流れているわけではないからだ。だが指示に従いTVをつけることにした。


すると、そこには趙錫祢が写っていた。
「さて、みなさん。今回TVを付けてもらったのは、場所移動のお願いです。これから貴方達はその地図にないレーダーのある場所に移動してもらいます。
これはゲームに参加する意志のない貴方達のためのルール変更です。
では場所と行き方を説明しますからしっかり聞くようにその他の地域は時間をおって禁止区域にします、いいですね!? 
その場所でバトルロワイヤルにつきものの決戦をやりましょう。」
そして趙のレクチャーが始まる。クラスの頭脳派たちは地図に場所を記し、行き方をメモにとる。そして地図の表示は5分続き放送が切れた。

「みんな、怖いかもしれないけど。私が守るから、一緒に行こう。」
裕奈は生徒に告げる。生徒達も選択肢がないことを承知で何も言わなかった。罠かもしれない、
だが主催者のアジトかもしれない場所に行くことは倒す機会もあることと、
なにより裕奈の強さをみて、何とかしてくれるという思いも生徒達にはあった。

そして移動が始まった。道を抜け、林の中を通り、演出なのかいかにも危ない吊り橋を渡る。おそらくここで戦いを演出されるために作ったのだろう。
一人ずつわたる。「揺らすなよ!」という言葉がどこからか飛ぶが吊り橋は揺れる物である。
そして何事もなく無事わたりきった。そして歩くこと2時間をまわったところ、目的地のレーダーが見えた。

「大きい!」
誰となく、そういう声が聞かれた。まるで空軍基地にあるようなレーダーである。これも演出なのか? そしてレーダーの前は大きな平地になっていた。
「まって、ここには地雷が仕掛けられているかもしれないわ!」
武闘派の一人が言う。確かに地雷を仕掛けるにはもってこいの場所だった。
油断させておいて地雷で殺すつもりだったのだろうか?


「そのようなことはしませんよ、いまそちらにいきますから」
スピーカーから趙の声が聞こえる。
しばらくして趙がレーダー基地から出てきた。趙は制服ではなく白衣の衣装を着て裕奈達の前に現れた。
「本当に困った人たちです、これではなんの為にゲームを始めたか分かりません。けどやる気のないのなら仕方ありません。
ルールを変更します。明石先生!貴方が今からの戦いに勝てばこのゲームは終わりにしましょう。ただしクラスの皆さんは手を出さないでくださいね。」

「いいよ、その条件のったわ!」
「裕奈先生!」
「明石先生!」
「大丈夫、私は勝つよ。生徒を守るのが先生の役目だから」
つくづく生徒達は思う、不幸中の幸いとは裕奈先生がいたことだと。もし自分たちだけならバトルロワイヤルを続けていたのだろう。
裕奈先生がいたから半数以上がこうして協力しゲームを終わらそうとしているのだから。
「黒々介(くろくろすけ)、出番よ」
趙が呼ぶとレーダー基地の中から一人の少女が出てきた、平均的な中学生より高い身長、長い黒髪、そして両耳からヘッドホンのようなセンサーをもつ少女だった。
『茶々丸さん!?』
裕奈はかってのバトルロワイヤルで死んでいったクラスメイトを思い浮かべる、
彼女は絡繰茶々丸と呼ばれた生徒にそっくりだった。違うところはその髪の色ぐらいだろう。
「驚きましたか? 明石先生。黒々介はかって貴方と同じクラスにいた絡繰茶々丸にそっくりなのですからね、
そして彼女を造った超鈴音、葉加瀬聡美も同じクラスでしたね。私はその二人が残した資料を基に彼女を造ったのですよ。
目的は私の用心棒としてと明石先生、貴方を倒すために造ったのです。」
「彼女が私の相手と言う訳ね」
「では明石先生早く始めましょう、準備ができたら言ってくださいね」


「雪ちゃん、貴方の小太刀を私に貸して」
裕奈は黒々介と闘う準備を始める、生徒より使える武器を選定していた。
相手は茶々丸がベースのアンドロイド、簡単に勝てる相手ではないが勝ち目が全くないわけではない、いまの裕奈は誰にも負けない自信がある。
裕奈の選定した装備は自分に支給されたいた得意武器の薙刀、雪の小太刀、
他の生徒からの38口径の自動拳銃2つだった。それを自分の着ているジャージの上からベルトを使って使えるようにした。

「いいわ、始めましょう」
裕奈はすでに平地に降りていた黒々介に向かい合う。
「もう始めてもいいですよ」
趙のその言葉を聞くと裕奈は黒々介に向かって飛びかかる。
そして持っている薙刀を振りかざす、黒々介は裕奈の薙刀をかわして後ろに下がるが裕奈は攻撃の手をゆるめない。何度も何度も襲いかかる。
だか黒々介は見切っているように紙一重で裕奈の攻撃をかわしていく。
黒々介も持っているマシンガンを裕奈に向けて撃つ、アンドロイドの黒々介は普通の人間なら感じる銃を撃つときの反動をもろともしないのでぶれない射撃をしてくる。
裕奈も黒々介の動きと弾の軌道読みながら時には薙刀で弾を払いつつ距離をとる。

『ここは一旦間をおきたい。』
裕奈は距離をとり一呼吸置く

『私を倒す為って言うのは本当ね、私の動きを見切っているようね。けど過去にも何度も経験しているし、なにより生徒と守るために負けられない』


「魔法の射手 火の二十一矢(サギタ・マギカ セリエス・イグニス)」
裕奈は唱えると同時に黒々介に再び飛びかかる、魔法と神鳴流の相乗攻撃をねらう。黒々介は軌道を読みつつ、裕奈の動きも読む。火の二十一矢をかわす
「奥義・斬岩剣」
裕奈は火の二十一矢をかわした黒々介に斬岩剣をみまう、だが黒々介に寸前のところでかわされる。
「奥義・斬空閃」
かわした黒々介にさらに攻撃を仕掛けるがこれもかわされてしまう。

「裕奈先生……」
「裕奈先生、しっかり!!」
生徒達も裕奈の攻撃がかわされていることに不安を感じ始めている。

「………」
二人の戦いを見ていた趙は両腕をクロスさせて自分の両肩においた、そして白衣を掴むと下へ思いっきり引き裂いた。
白衣の下からは未来のSF映画に出てくるような白いバトルスーツに身を包んでいた。そして両手からオートマチック式の拳銃を裕奈に向けて放つ。

「!!」
裕奈は趙の弾にあたってしまうが魔法障壁の影響でダメージは微々たる物だったが趙に気をとられた隙に黒々介の背中に持っていたロケットランチャーを喰らってしまう。
そして目の前に来た趙の電磁ナックルをつけた拳が顔面にヒットする、後ろによろめくが背後にきた黒々介に受け止められる。
そして黒々介は裕奈を羽交い締めにし趙に攻撃させやすいようにする、趙は顔面に向けて電磁ナックルを付けた拳で裕奈を何度も殴り、
バトルスーツを着た膝で裕奈の腹部を打ち付ける。
黒々介から裕奈を引きはがし地面に投げつけ地面に四つんばいになった裕奈に黒々介とともに足蹴の嵐をみまう。


「卑怯よ!!」
「突然乱入するなんて聞いてないわ!!」
生徒達は趙に対して声を荒げる。

「私は『今からの戦いに勝てば』と言ったはずですよ『黒々介との戦いに勝てば』とは言っていませんよ、だから非難される覚えはないですよ」
確かに趙の言うとおりである。思い出してもそういうことは言っていなかったのである。
「それとよく見てなさい、人間を痛めつけて殺すのはこうするのですよ、貴方方には明石先生が死んだ後、
バトルロワイヤルを続けてもらいますから。主催者の私からのレクチャーありがたく思いなさい。」
そう言うと趙と黒々介は裕奈に対しての責めを続ける。
趙と黒々介は裕奈の髪の毛を掴み、裕奈の顔面を地面に何度も打ち付ける。
次に趙は両手で裕奈の顔面を地面に付けて動かない用にする。そして黒々介は裕奈の体を思いっきり引きずり始める。
「くがぁぁぁぁぁ!!」
裕奈の絶叫が聞こえる。地面との摩擦が顔面に来ているのだ。
次に趙は裕奈の首に右腕を巻き付け締め上げそのまま裕奈の体を振り回す。
「くっぐぐぐ…………」
首への締め付けが体を振り回されることによって窒息の効果を上げているのだ。
腕を放し裕奈の右腕をとり脇固めをかける、黒々介も反対から左腕をとり両方で脇固めをかける、そして裕奈の両方の腕を痛めつける。

「もうやめて!!」
「このままじゃ裕奈先生が死んじゃう!」
生徒達の叫びも聞こえる。
「もう限界です」
カシャン、カチャ
武闘派の何人かは機関銃などの飛び道具を用意する。


「みんな、駄目!!」
雪が両手を広げて武闘派を制する。
「委員長、このままだとみんな死んじゃうよ」
「そうよ、ダメ元でも私たちも闘わないと」
武闘派達は雪をまくし立てる。
「落ち着いて、みんな。私達には首輪が付いているのよ、その気になれば趙さんは私達の首輪を爆破することだって可能なのよ」
「けど、このままだと趙の思う通りよ」
「そうよ、たとえ首輪を爆破されても裕奈先生が趙達を倒すことをサポートするのが犠牲は出るけど何人かは助かる道だよ」
「いいえ、駄目。明石先生の話を忘れたの? どれだけクラスメイト達に先立たれるのが辛いのかを」
雪はさっき裕奈が8年前のバトルロワイヤルでの話を思い出させるように言う。
死んでいく友を助けられなかった自分、友の大けがの治療もできなかった自分。そして生き残ってしまった自分。
裕奈はロッジで以前参加したバトルロワイヤルを生徒達に語っていた。
「だから明石先生はこの勝負に乗ったの。私達をこれ以上傷つけないために。まだ明石先生は負けていない、私は明石先生を信じる!!」

「立派な心がけですね、さすが学級委員長ですね。そうです貴方達の首輪はいつでも爆破できるのですよ、こんなところで爆破はさせたくないですよ。
けど委員長さん、明石先生を信じるのは無駄だと思いますがね、皆さんも次のバトルロワイヤルの対策を考えていた方がいいのではないのですかね。」
趙は勝ち誇ったように言うが雪は裕奈の目を見る。アイコンタクトで『注意を引きつけろ』と言っているように思えた
「私は明石先生を信じます。必ず明石先生は勝ちます。」
「無駄だと思いま……、なっ!」
会話に気をとられていた趙の隙をつき、裕奈は右腕をするりと趙の拘束から解いた。すぐさま体を入れ替え黒々介を両足で蹴り飛ばす、そして地面の砂を掴み趙の目めがけて投げつける。
「ぐっ、目が!」
裕奈は薙刀をとり急いで趙と黒々介から距離をとる、そして着ていた上下のジャージを脱ぎ始める、そして下着姿になった。23歳というだけあって大人用の色っぽい下着だ。
右手には薙刀、左手には脱いだジャージを裕奈はもって二人を待ちかまえる。


「ふざけた真似をしてくれましたね」
いままで怒りをあらわにしたことがない趙が初めて怒りの表情を見せた、それでも普通の人よりかは押さえた怒りだ。
「なんの真似かはしりませんが行くぞ黒々介」
趙は言うと黒々介と共に裕奈に襲いかかってくる。

裕奈は不思議と落ち着いていた。過去何度か死闘で追いつめられる展開もあったがいまのような気持ちになったときには絶対に負けなかった。
なにかはいまも分からない不思議な感覚だ。
『いくぞ!!』
裕奈は二人に対して今までと違う動きをする。闘う者のの動きではなく踊っているような動きを見せる。
「なっ!」
趙が驚いた瞬間をねらい、左手のジャージを右脇に挟み。左手で隠していた拳銃を趙に向けて発射する。
趙がひるんだ隙をねらい右脇に挟んだ上ジャージを左腕で趙の顔面に投げつける、投げた上ジャージは趙の顔面に巻き付く。
「な、これはまさか布槍術の変形応用化か?」
趙の推測は正解だが見事に趙の頭部に巻き付いてしまい、視界と呼吸を奪っていた。

黒々介は裕奈の動きを止めるべく機関銃を撃つが動きが全く読めなくなっていた、
裕奈は銃弾をかわしつつ下のジャージと薙刀を結びつけた。結びつけた下のジャージを黒々介のマシンガンに向けて投げる。
ジャージはマシンガンをはじく。帰ってきたジャージをもう一度黒々介の首筋に投げる。



しゅるるる。
ジャージは黒々介の首に巻き付いた。確認すると裕奈は薙刀を引っ張り黒々介を寄せ付ける、そして持っていた小太刀で黒々介の首に切りつける。
バチバチバチ
黒々介の首筋から火花が立つ、裕奈は小太刀を深く斬りつけるが無理と判断すると薙刀を回転させ黒々介の首筋に向かわせた。
「だぁああああ」
薙刀は黒々介の頭部と胴体を切り離した。胴体の切断された部分からはさらに火花が立ち上る、裕奈はその切断された胴体に部分に薙刀を押し込める。
そして呪文の詠唱を始める
「来たれ雷精、風の精。雷を纏いて吹きすさべ南洋の風
(ウェニアント・スピーリトゥス・アエリアーレス・フルグリエンテース・クム・フルグラティオーニ・フレット・テンペスタース・アウストリーナ)」
雷の暴風を唱え、黒々介の胴体に攻撃する。
チュドーン!!
呪文の直撃を受けた黒々介の胴体は爆破し粉々になった。

「ぐう゛う゛」
趙はようやく巻き付けられたジャージを解けつつあったが裕奈の接近が少し早かった、
裕奈は趙を地面に押し倒しマウントポジションになり両足で腕を押さえ趙のジャージが巻き付いたままの頭部を抱きかかえ、そのまま締め付けていく。
「ぐががぁぁ」
ゴキッ!!
鈍い音が鳴った、趙の頭の骨が砕けた音だった。その音と同時に趙の体の動きが止まった。もう生きてはいない。


………。
裕奈は頸動脈から趙が死んでいるのを確認すると趙の死体から離れた。
「終わった……。」
裕奈のその言葉を聞いて生徒達がかけてくる
「裕奈先生!!」
「よかった……、よかったよ。」
喜ぶ者、涙ぐむ者、かみしめる者。表情はそれぞれだ。

「もう殺し合いはしなくていいよ、みんな!!」
裕奈は疲れつつも笑顔で言った。


………。
皆さん、おつきあいありがとうございましたネ。
裕奈サンもこれで一応元あるべき1部の世界に修正して帰ってこれるネ。
バトルロワイヤルに参加したままの裕奈サンにやきもきした方にはホッとして欲しいネ。

まだ異空間からでていないと言う意見もあるけど。
それも1部世界からずれてしまう話になるネ、そのための修正も行わないといけないからお話は長くなるネ。
またこの世界がエアポケットになる機会があればまたお会いできるかもしれないネ。

では、皆さん、サイナラネ
 

    [管理人の短編一言感想集] その46
    黒歴史のアンソロジー。
    裕奈が先生という立場で主役というのが新鮮。裕奈強いなぁ。。。
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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