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短編No47 2度目のバトルロワイヤル-脱出編-

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2006/11/04(土) 21:25:53
ネギま! バトルロワイヤル


「けど、ここからどうやったらでることができるのでしょうか? 」
雪が歓喜の渦の中に現実に戻る言葉を問いかける。
その瞬間、空間が開き空間から強烈な風が吹き出してくる。
強力なファンから風が出ているというたとえとか、ホワイトホールという表現があう感じだ。
「ぐっ……」
「なに、いったい」
「どうなっているの」

その風に乗って、一人の少女、いや女の子がこの場に現れた。と同時に風はやみ空間は閉じてしまった。

「……、今度はいったいどこにとばされたのか? 誰かいるな、
!? あの服は麻帆良学園の制服!! 
あの下着姿の女、あいつは!? ここも過去の世界なのか?」

裕奈と生徒達はその女の子を見る。年は10歳くらいだろうか、金髪碧眼のお人形さんのような女の子だが、
着ている衣装はアラビアンナイトにでてくるようなアラブの民族衣装だった。

「誰!?」
「かわいい!!」
「ねえ、君、どうしたの!?」
何人かはその女の子に近寄ろうとする。
「まって、その子も趙の仲間かもしれないわ!!」
近寄ろうとする生徒達を止める生徒達もいた。
「エヴァちゃん……。」
裕奈は口に出してその名を言う。


エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、8年前のバトルロワイヤル、次元の狭間に消えたクラスメイト。その彼女が今、こうして目の前にいる。
「明石先生、あの子知っているの!?」
雪が裕奈の言葉を聞き問いかける。その言葉で裕奈は現実に戻ってくる。
「みんな、安心して、その子は敵じゃないわ」
そして生徒達の前へ出てエヴァに近づく。
「お久しぶりです、エヴァンジェリンさん。私を覚えていますか? 私、明石裕奈です。」
エヴァは裕奈の言葉を聞き、自分が思っていた人物と違っていたことに驚く。
「明石裕奈!? おまえ、明石裕奈なのか明石教授の娘の?」
「はい、そうです。エヴァンジェリンさん」
『そうか……、しかしあいつに似てる、その魔力も……。 !!』
「おまえ、その力は!?」
「私はあの事件の後、力を付けたのですよ。」
「そうか、でここはどこで、いま何をしているのだ?」

裕奈はエヴァを生徒に紹介し、エヴァにいままで起きたことを全て話した。
「……、そうか、そんなことが。」
「エヴァンジェリンさんはいままでどこでいったい何をしていたのですか?」
裕奈はエヴァに問いかける。純粋に8年もの間なにをしていたか知りたいのだった。
「私はあの後、過去未来の次元をさまよう存在になってしまった。ある時代に流れ着いて暫くすればさっきのように違う次元に飛ばされてしまう、
最初に飛ばされたのは江戸時代の遊郭だった。そこで日本文化を見ながら男どもの相手をした。意外と異人だが人気はあったんだぞ、私は。」
エヴァは少し自慢して言ってみる。
「その後は19世紀末のアメリカ、モンゴル帝国の拡大期のオルドの中、遙か未来の惑星移動の宇宙船の中、
オスマン帝国後宮、最後にイスラム教の創世のころにいた。そしていまここにいる、まさか現代に帰ってこれるとは思っていなかったがな」
「そうですね、8年という時間はエヴァンジェリンさんにはないに等しいですね」
裕奈と生徒達はエヴァの話に聞き入っていた。


「それとこの空間、そんなに難しい魔法ではないな、私の力なら脱出は可能だ」
「本当ですか!?」
「ああ、少し時間がかかるが、それより首輪はどうするのだ」
「私も外し方は知っていますが、変わっているかもしれません、レーダー基地を調べてみます。」
「そうか、その方が良いな。では早速そうするか」
裕奈は何人かの武闘派と頭脳派を選んで基地を探索するといった。
残りの者はエヴァとともに待機することになったのだが……。

「えーーっ、エヴァちゃんの護衛は駄目なの!?」
「貴方は私と共に来るの」
「ねえ、いいでしょう、裕奈先生、私はエヴァちゃんの護衛をしたいの!!」
もうすでに生徒の中にはエヴァをクラスメイトとして扱う者が何人か出てきた。
「帰ったらたっぷり護衛をすればいいじゃないか、学園長に帰ってからエヴァンジェリンさんをクラスに転入させるようにするから。」
「本当、先生!! じゃあ、早く行きましょう」
裕奈も苦笑いする。
そして基地の中を探索し、首輪の外し方を入手した。基地の中には誰もおらず、罠も仕掛けられてはいなかった。
首輪の外し方も少し違うぐらいで難解なものではなかった。
裕奈と頭脳派達によって生徒達の首輪は無事外されていった。
一方、エヴァの方も空間を繋げて元の世界に戻る準備ができていた。


「では、いくぞ」
エヴァは魔法陣の中で詠唱を始める、そして空間が開き始めた。
「教室の中だ!!」
生徒達が叫ぶ。そう自分達の教室が空間の狭間から見えた。
「じゃあ、みんな順番に一人ずつ落ち着いて」
裕奈が生徒達に指示を出す。生徒達は裕奈の言うとおりに一人ずつ空間の狭間に飛び込んでいく、そして生徒達は全員空間から脱出した。
「あとは裕奈先生とエヴァちゃんだけだよ!!」
生徒が教室から叫ぶ。
「さあ、エヴァンジェリンさん。私達も行きましょう!」
「いや、明石裕奈、おまえ一人だけで行け」
「なぜですか、エヴァンジェリンさん!?」
「この術は難しくないが欠点があってな、術者は常に空間を繋げる魔力を供給していなければならない、
よって私が出ると言うことは魔力を供給できなくなるので空間は閉じてしまう」
「そんな……。」
ここまで来て……、裕奈はそんな思いだった。折角エヴァンジェリンも一緒に帰ることができるのにネギ達も喜ぶ顔が見られると思ったからだ。
「いけ、明石裕奈、生徒達が待っているぞ」
「エヴァンジェリンさんも待っています」
裕奈は反論する。
「私の事は気にするな、いずれまたどこか別の次元に飛ばされるから、どうやら私がここに飛ばされたのはお前達を送るためにだろうな。
それにお前まで死んだら、明石教授が悲しむぞ、ただでさえあいつに死なれて寂しい思いをしているのだからな。」
「エヴァンジェリン!! これ以上私に対しての口答えは許しません。貴方は私の生徒です、慎みなさい」
「なっ……」
エヴァは突然裕奈の口調が変わったのに驚く。再会してからは目上の人として接していた裕奈が自分より上の立場として接していることに。
「教師は生徒の守るのが仕事です、そんなに魔力を供給したいのなら私の魔力も与えます。」
というと裕奈は自分の魔力もエヴァの魔法陣に流し込んだ。その瞬間空間の穴が巨大になる。


『よし!!』
裕奈は素早い動きでエヴァを抱きかかえ、穴に向かう。穴は術者を失った影響で閉じ始める、裕奈は急ぐ、そして穴に飛び込んだ。
「穴から離れて!」
裕奈は叫ぶ、それを聞いて生徒達は穴から離れる。するとすぐにエヴァを抱いた裕奈が穴から飛び出してきた。
裕奈は教室に着地すると穴を見る。穴は小さくなっていき消滅した。
「まったく無茶をしよって」
『本当、あいつにそっくりだな』
裕奈の胸に抱かれたエヴァがあきれながら言う。
「先生、よかった……。」
「本当、無事で」
生徒達も喜ぶ
「先生ずるい、私もエヴァちゃんをお姫様だっこしたい」
生徒に言われて気づくと裕奈はそういうふうにエヴァを抱いていた。
「こ、こら明石裕奈放せ、いつまでも抱いているな」
「明石先生」
裕奈は笑みを浮かべてエヴァに言う。


「明石先生と言ってくれないと放さないよ。」
「先生、次、私」
「ずるい、私も私も」
「そうねえ、それじゃあね」
裕奈も緊張感が解けて、かってのお祭り好きの顔がでてきた。
「わかった、言う、言うから、明石先生、明石先生」
「よくできました、じゃあ、はい」
言うと裕奈は生徒にエヴァを抱きかかえたまま渡す。
「こら、約束が違うぞ。」
「私は放しましたよ、あとは生徒達に言ってね。」
「エヴァちゃんオメガかわいい」
抱いた生徒はご満悦だ。

「ゆーな!!」
ドアから声がする、くーふぇ、美砂、刀子さん、二ノ宮先生、お父さん。みんな駆けつけてくれた。
「裕奈、無事ね」
私は複雑な表情で返事をする。
「はい」


「ふふっ、脱出編終了ネ。」
ここは閉じられた異空間。趙の死体と黒々介の首を見て黒い影は語りかける。
「甘すぎるね、趙サン。貴方も私をベースに造ったけど所詮余興を楽しむ程度の知恵しか与えなかったからネ。
本当に裕奈サンを殺すのならあの程度では物足りないヨ。もっと追いつめて苦しませてから戦いを挑ませないとネ。」

さてとこの後はエピローグネ。
居てはいけない人がいるのでそれを修正しないと元の世界の流れに戻せないからネ。
ではもう少しお付き合いをお願いしたいネ。
 

    [管理人の短編一言感想集] その47
    エヴァって非常にロワでは使いにくいよね。
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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