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短編No88 美砂の短編〜彼氏のロワイヤル〜

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2008/01/21(月) 20:20:47
ネギま! バトルロワイヤル


美砂に見送られしばらく経ち船は島についた。
「ここで本当にクラスメイト通しが…」
妙な事を企てられない様生徒通しは部屋も別で会う事が許されていなかった。
そして説明を受けとうとうバトルロワイアルが始まった。
(僕は誰も殺したりなんかしない!……でも絶対生きて美砂に会う。)
そう決意し、最初に出会った友達。幼馴染であった。だが彼はゲームに乗っており狂った様に襲ってきた。
幼馴染なのに‥‥そう思った。苦しかった。1番最初に出会ったのが大切な友達。でも簡単にそれは壊された。
その後振り切ったがまた別の人に襲われた。でも相手に攻撃はしなかった。
生きて帰ってもその手を汚してしまえば美砂と会えない気がしたからだ。
美砂に会いたい。もう1度一緒に…。
ゲームが終わればちょうど記念日。2人で海へ行ってまたギターを聴かせてやろう。
そんな必死な思いが通じたのかどんな逆境にも耐え誰も殺す事なくゲームは残り3時間を迎えた。残った人数は2人。
「生き残れる!僕には会いたい人がいるんだ!美砂の元に帰るまでは死ねない!」
でも後2人なのにどうやって殺さず勝てるんだ?
そんな不安を背負いながら歩いた。禁止区域が設けられているため移動せずともすぐ出会えた。
相手はクラス委員長だった男の子。とても思いやりのある優しい人だった。
でも彼は狂っていた……。


(この島は何か魔力があるのか?なんで委員長が!?なんであいつが!?そういえば昨日親友通しだった女の子達が殺しあってたな……ハハッ、もう、もう嫌だッ...!)
「ごめん、クラス委員長なのに皆を護れなくて…。」
「どうして…どうして人を殺せるんだよ!!!答えろよ馬鹿委員長!!!!」
「うるさいっ!家族に‥‥家族に会わなきゃ!もう1度皆に会うんだ!!!!」
「あっ…」
(こいつ同じだ俺と。俺も美砂や妹に会いたい。こいつも家族に会いたいから、必死だったからここまで生き残れたんだ…。)
「頼む。もうクラスメイトを手にかけたくない。自殺してくれ。」
後ろは崖。飛び降りろと言うのか!?自分はどちらを選べば良い…もうわかんない…。
委員長は泣きながらマシンガンを下ろし土下座した。その手は汚れきっていた。
(僕には…こいつを殺せない。そしてゲームを止める方法も分からない。)
彼の目からも涙が零れた。
「どうして僕なんだよ!両親を亡くして、妹を、美砂を置いて死ねって言うのかよ!なんで僕なんだよ!!!」
──叫んだ。声にならない声が遠く、響く。
数分の沈黙が続き涙を拭くと振り返った、海の方へ。
(そういや本当に俺この島に来て美砂の事ばっかり考えてたな…。美砂のおかげでここまで生き残れた。でも‥‥ごめん。)
「分かったよ。委員長。俺、飛び降りる。
ただ、約束してくれ。家族を死ぬまで護ってやれよ。」
「あう…っ……本当に…ごめん……本当に‥ごめ…っ‥‥」
最後に振り返ると当時の委員長の面影が見えた。優しくて頼りになる素晴らしい人。
委員長ならこんな狂ったゲームを終えてもまっとうに生きていけるだろう。そう思えた。
──彼は飛び降りた。
首輪がピピッと鳴り始める。死への実感が感じられる。海に落ち目を瞑り今までの楽しい記憶を思い出していた。


付き合い始めた日波の音が心地よい静かな海で肩を寄せ合う2人。僕はギターを弾いた。決して上手いとは言えないが響き渡るメロディ。幸せだった。
何故か首輪は鳴り止み爆発はしなかった。だが海に沈み彼は死を覚悟した。
『美砂、ごめん。好きだよッ...』
目をうっすらと開き手を伸ばしてみた。
──そこには彼の愛する人「柿崎美砂」が居た気がした。
 

    [管理人の短編一言感想集] その88
    珍しい美砂の彼氏視点の短編。
    オリキャラ設定だがロワの短編として上手くまとまっていますね。
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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