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短編No77 未完のロワイヤル

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2007/10/16(火) 23:18:00
ネギま! バトルロワイヤル


「突然だが、君たちにはこれから殺し合いをしてもらう」

それが合図であった。
どこかも分からない無人島につれてこられた挙句に生徒全員で殺し合いだ。
笑えないギャグにツッコミを入れた桜子が呆気なく殺されたことで、これが本気なのだと知った。

それからは各々の戦いの連続であった。
ある者は仲間を求めて、ある者は戦いに勝ち残るために、そしてある者は自らの命に変えても守りたい人のために……。
悲劇が悲劇を呼び、復讐に目標を変える者、絶望に打ちひしがれ自殺する者も現れた。
それでも脱出できることを信じて必死に戦い、皆は生き延びていた。
そして2日と12時間が経過した時点で生き残っている生徒は僅かに7人。
放送で死んでいった生徒の欄が×印で一杯となっていた。


明日菜は次の禁止エリアが現在居る山の頂上だった。
急いでふもとへと移動している最中、大木に持たれかかっているあやかの姿を認めた。
初めは話しかけるべきか否かで迷ったが、あやかの傷ついた姿を見て思わず駆け寄った。
「ちょっといいんちょ!? 大丈夫? しっかりして」
すぐさま明日菜はあやかを介抱した。
あやかの傷は重く、左腕からはおびただしい量の血が出ており、その美しい顔にはナイフで傷つけられた跡がついていた。
「早く……逃げてください明日菜さん……、ここはもうすぐ禁止区域になるはずです」
あやかは自らの危機よりも、この場に留まる明日菜を危惧した。
逃がそうとしたが、明日菜は言うことを聞こうとしない。
明日菜はあやかを抱きかかえて山を下り始めた。


「お嬢様を殺したのはあなたですか……」
武器の日本刀を構えてエヴァンジェリンに詰め寄る刹那。


真名に裏切られ、ハルナに殺されかけ、最後には守るべき木乃香は惨たらしく殺されていた。
もう、誰も信じない。生き残ろうとも思わない。
自分のことしか考えず、助かるためなら何をしたっていいと思っている連中を道連れにする。
今の刹那には木乃香の仇をとりながら、多くの人間を地獄へ叩き落すことを目的にしてしまった。
エヴァンジェリンは堕ちる所まで堕ちた刹那を、睨むようにして見つめた。
「私ではないと言ったら?」
「……不死の吸血鬼でも、この結界内ではただの人間。このまま死んでもらいます」
刀を構えてエヴァンジェリンを威嚇する刹那。
武道大会で見せた気迫どころではない、もはや殺意の塊でしかないのだから。
エヴァンジェリンも武器の鉈を取り出し、構えた。
「そうか……なら相手をしてやろう。己の浅はかさをあの世で悔いるがいい!」


生き残るためなら何だってした。何が何でも生き残る。何人手にかけたか覚えていない。
美砂は助かるためなら親友までも殺してしまった。後には引けない。
だがハルナと戦った時、銃弾を腹に食らってしまった。
「はぁ……はぁ……」
意識が飛びそうなほどの痛みと出血。
前方が完全に歪んで見え、覚束ない足取りでふらふらと森を抜けた。そこには澄んだ湖がそこにはあった。
ペットボトルの水はすでに空。水を見つけるや急いで飛び込んだ。
「み……水………」
直接口につけて大量に水を飲んだ。乾いた喉越しが水によって潤っていく。
「………」
そこまで考えた時、今更ながら自分は何をしているのだろうかと思った。
何人も殺して生き延びようとした自分が、ここにきて良心の呵責に苛まれるなど……。
「こんなのおかしいやん……、何でや…なん…で……」
死に間際の木乃香の声が、美砂の決意を揺らがせていた。




すると次の瞬間、静寂の森を断ち切る銃声が美砂の体を貫いた。
「―――!」
振り向く間もなく美砂の視界は空を向き、回転しながら暗転していく。
意識が暗転する直前、震えてた幼い声が耳を突く。
「…………ひ…ぃ……や、やったよお姉ちゃん。お姉ちゃんの仇は取ったよ!」
そんな声を聞いた美砂はそのまま湖の中へと消えていった。
姉を殺され、仇をとるために戦う鬼へと変貌した史伽は狂った笑いを浮かべていた。

【出席番号7 柿崎美砂 死亡】


「さて、そろそろ動くカ」
武器を手に取る超はこれから戦いへと向かう準備をする。
パソコンには管理者のパソコンを狂わせるウイルスを作成しており、後は流すだけである。
「チャンスは一回だけネ」
マシンガンを構えていつでも戦う準備をする。死んでいった葉加瀬、、千雨、古の死は無駄にしない。
パンは動きに支障が出ない程度に食べたし、水も飲んだ。後は決意のみ。
パソコンのキーを叩くと、そのまま超は隠れ家である小屋を後にした。


未完
 

    [管理人の短編一言感想集] その77
    何となく続きが気になる作品。
    当時のログを読む限り、作者を目指していたようだったが・・・・・・?
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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