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短編No41 大好きなネギせんせー

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2006/06/10(土) 01:45:37
ネギま! バトルロワイヤル


「ね、ゆえ…ちょっと目閉じて?」
「……なんです?」
脈絡も無く唐突に言われた要望に多少の疑問を抱きながらも、
夕映は素直に両目の瞼を下ろした。
閉じられた瞼に僅かな太陽光が透かされてオレンジ色に染まる。
そのオレンジの世界が急に黒く陰ったかと思うや否や、ぽふんと頭に柔らかな感触を受けた。

「の……のどか?」
その手のひらが夕映の頭を流れるように滑り出し、短い前髪まで達した所で離される。
そして次の瞬間にはまた頭頂部に軽い圧力を受け、また摩られる。
「な なぜ頭を撫でるですかっ?」
頬を赤らめた夕映は律儀にも目を閉じたまま、その手を押さえようとする。
「や…やめるです……恥ずかしいですよ…」
わたわたとした手つきでのどかの手首を掴む。
のどかの手は何の抵抗を示す事無く静止した。

「ふふ…かわいいなぁゆえ」

「何アホな事を言ってるですか、もう目を開けるですよ?」
「あ、もうちょっとそうしてて」
一体何をするつもりなのか全く見当もつかない夕映だったが、
頭に乗に乗せられた手のひらと間近で耳に届くのどかの優しげな声が心地よく
、 もう少しだけならこうしているのも悪くない、と思わず小さな笑みがこぼれる。
「あのね、ゆえ」
のどかはゴソゴソ音を出して動きながら話す。
目を閉じた夕映には何をしているのか分からなかったが、それほど気にしなかった。

「今でもネギせんせーのこと、好き?」

「な……ッ」
思っても見なかった言葉に夕映は明らかな同様を示す。
そんな夕映を見たのどかははにかんで、

「私ね、ちょっと後悔してるんだ」
「のどか……?」

のどかは後に続けてこう語った。
「今まではネギせんせーに私の好きって気持ちを知って貰えるだけで満足だった。
 だからちゃんとした返事はいらないって言ったんだけどね。
 でも、それは逃げてただけなの。
 ネギせんせーに嫌いって言われるのが怖かったから、もしそうなったらどんなに辛いのか分からないから、
 だったら今のままの関係が続いた方が安心って言うか、それで幸せだったの」

「…………」
珍しく自分の気持ちを長々と話すのどかに、夕映は黙って耳を傾けていた。
聞きながら、どこか胸の奥にズキンとくる物を感じていた。
それは、夕映がのどかに共感を覚えていたから。
同じ人を好きになり、それを知ってからも同じように接し続けてきた。
だからのどかの想う気持ちは正に自分のソレと一致していたのだ。
夕映は俯きながら聞き入る。
「でもまさかこんなコトになるなんて思わなかったから、凄く後悔してる。
 結果がどうなってても私は答えを訊きたかった。
 それよりも、ネギせんせーの気持ちを受け取らないまま死んじゃう方がもっとイヤ。
 そう、気づいたの」
いつの間にかのどかのゴソゴソ音は止んでいた。
相変わらず夕映は目を閉じたままで、その頭に優しい温もりを感じる。

しかし、ここで思いがけない事態が起こる。
突然その手が夕映の髪の毛を掴みあげたのだ。
「えっ」
「だからね」
夕映は咄嗟に瞼を開き、両目が映し出したその光景に理解不能、そして驚愕。
顎の下に固く冷たいモノが添えられた。
「絶対生き残るの。そして麻帆良に帰って、もう一回告白するんだ」
「ひ………ッ」
「大好きなネギせんせーに」
  
 

    [管理人の短編一言感想集] その41
    のどか怖っ!!のどか怖っ!!
    2回も言ってしまった・・・・・・。
    でも、こういうのどかもアリかな?
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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