生きるという事。
それは他のクラスメイトを殺し自分一人になるまで殺し合うという事。
そんな地獄のような状況に今私は置かれている。
昨日まで仲良くしていたクラスメイトも殺さないといけない。
もうこんな世の中狂ってる。もうだめだ、私までおかしくなりそうだ。
私の親はいった。
『今の若者達は狂ってる。平気で物を壊す。落書きはする………。
私達の時代は違った。ものを大事にし………。』
確かにあなた達の時代はそうだったかも知れない。
だが今はあなた達の育った時代じゃない。
何でもある。少し街に出れば何でも揃う。
不便があまりない社会。
だから物は平気で壊すし落書きもする。すぐ直るのを知っているから。
だけど、そんな人間が育つような社会にしたのは誰だ?
あんたたち大人だ!! この考えは間違っていない。的を射ている。
この状況だってそうだ。あんたたち大人が仕組んだ事なんだ。
私達は何も悪くない。それを知らすためには直接口で言ってもだめだ。
そう、行動にうつすしかない。ならば悪い事もやろう。私は悪くない。
悪いのは社会なんだから………。
おっ、あそこにいるのはいいんちょか。
なるほど、最初の相手にはちょうどいいな。
なんたってあいつは先生の前でいい子ぶっている。
きっとこんな世の中にしたのもあんな奴らなんだろう。
ならばやっつけてこの世から消そう。そうすれば将来も少しは変わるだろう。
私は時代を変える。みんなの為に………。
パンッ
あははは、簡単だ。なんて脆いんだ。
ただ私がこの引き金を引いた。ただそれだけで壊れた。
この分なら簡単に社会も壊せるかもしれない。
『朝倉っ!何やってんのよあんた!』
明日菜だ。なんだいいんちょと一緒に居たんだ。
かわいそうに。きっとうまい口車に乗せられたんだろう。
利用されるだけ利用されて最後には殺されていたんだ。
私は人の役に立ったんだ。そうだ、明日菜なら私の考えもわかってくれるはずだ。
『ねえ明日菜、今の社会おかしいと思わない? 私と一緒に壊そうよ。』
『何いってんの!? あんたはおかしい!狂ってる!!』
何言ってるの?明日菜。狂ってるのは社会なのに。
私はいたって普通。
『私はあんたを許さない!』
何?その銃。何で私のほうに向けるの?ねえ、明日菜。
パンッ
何で、明日菜。私は間違っていないのに。おかしいよこんなの。
絶対に………。
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