幾度と無く、繰り返される惨劇。
しかし、いまは束の間の休息期間、また暫くすれば新しいゲームが始まる。
でもその事実を知る者はいない…、ただ一人を除いては…。
首がない無惨な死体、その死体の指が動いた。
その死体はまるで何事も無かったように立ち上がる。
そして映像の逆再生のように傷がふさがり失った体の部分が再生されていく。
完全に再生され五体満足の人間になった元死体は笑みを浮かべて呟く。
「あーあ、今回も思うとおりに行かなかったネ」
その元死体は出席番号19番 超鈴音。究極超人、最強頭脳と言われた少女だった。
「また一からやり直しネ、次こそは終われるといいネ。」
笑みを浮かべつつも残念そうな表情を浮かべる。
「次の世界はどんな世界になるか楽しみネ」
「ああ、次の世界はもっともっと素晴らしい世界になるネ。」
「ああ、次の次の世界はもっともっともっと素晴らしい世界になるネ。」
「ああ、次の次の次の世界はもっともっともっともっと素晴らしい世界になるネ。」
狂っているのか願望なのか分からない超の言葉が続く。
「……。」
「!!」
超はなにか声が聞こえ、語るのをやめる。そして耳を澄ます。
声は複数あり複数の人間が言っているようだ。
「次こそは」
「次は必ず、私は」
「生き残る…」
超は声の主達が誰であるか分かった。
「『次こそは』か」
「フフっ、面白いネ。貴方達の命、取り返してみるネ。」
超はその言葉を聞くと再び時が動き出すのを知った。ゲーム開始の予兆である。
「さて、私も参加しつつ物語を見させてもらうヨ。」
そういうと超の体を黒い霧が包み込み、見えなくなっていった。
そしてまた始まる暗黒な惨劇。
<終>
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