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短編No31 続かない物語

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2006/05/03(水) 18:40:34
ネギま! バトルロワイヤル


さっき放送が入った。
さっきの放送によると、今生き残っている人は、プログラムを潰そうと考えて集まっている人たちだけらしい。
お嬢様はいまだに誰ともあっていないが、お嬢様は人を殺さない知っている。
あんなにやさしいお嬢様だ。人を殺すわけが無い。
そして今、私は未だ誰とも会ってないお嬢様を探しているところだ。
プログラムを潰す時、みんなで一緒に居たほうが何かと作戦が打ちやすいし。
何より、自分が守りたいから…。

バラララララララララララララララララッ

草が飛び散り、周りの木々が揺れる。
すさまじい音とともにヘリコプターが目の前に下りてきた。
ヘリコプターから出て来たのはこのゲームの首謀者、新田だ。
「みんな固まってこの楽しいゲームを潰そうと企んでんだって?」
顔が引き締まる。そらそうだ。目の前に居るこいつこそが、クラスメイトが殺し合うように仕向けたんだから。
日本刀を握る手の力が強くなる。
「いやさぁ、いっその事ルール変えようかって事になった訳ね。だからちょっと来てほしいかなって」
新田は悪びれる様子もなくからかうように言う。
そうだ、こいつを殺せば戦いは終わるんだ。
こいつを殺せばみんなの仇、とれるんだ。
私は新田に斬りかかろうとした、が……
「あぁそうそう。このボタンを押せば、大事な大事な近衛の首輪が爆発するんだったんだなぁ」
手に握っている、小さなあのボタン。
あのボタンを押すのに新田は一秒もかからない。
そんな状態では私が新田を殺すことは無理だ。
「ほら、その日本刀をそこにおいて、早くこれに乗りなさい」
音も無く落ちる日本刀と、ヘリに乗る私。

目の前が潤んできた。そう、新田が殺せない自分に泣いたんだ。
守るって決めたんじゃなかったのか?
だから今まで、私のすべてをかけて剣を振っていたんじゃなかったのか?
自分に問いかける。
強く手を握って下を向く。血が出てきたのなんてかまやしない。
「さぁ着いた」
ヘリから外を見ると、そこにあったのは皆が集まっていた場所、病院だ。
そこの横にあるのは………檻だ。
さっきお嬢様を探しに行ったとき、見送ってくださった人たちが入っている檻だ。
「皆に何をした!」
「そう焦るな。君が私の言うとおりにすれば皆助かる」
「そおいう問題じゃ…!」
周りに居る兵に腕をつかまれた。
無理やりヘリから私を追い出す。
「いいから病院に入れ、お前を待ってるやつが居る」
兵の手を払うと、私は病院の中に入っていった。
新田のいうことを聴いてやろうじゃないか。それで皆が助かるなら。
この中に何が待ち構えていようとも。

「コロスコロスコロスコロスコロスコロス!」
あぁ、私が見間違える分けない。
でも、今日だけでも見間違えてほしい。
「おじょう……さま…?」
手に血のついたナイフを持っている私のとても大切な人。

あ、こっち向いた。

お嬢様、知ってらっしゃってますか?顔に血がいっぱい付いてるって事を……
お嬢様のきれいな顔が、汚れてしまっているんですよ?
「コロスコロスコロスコロス」
なんですか、その呪文は……
そんな呪文では誰も死にませんよ?
「お嬢様……」
私はお嬢様を抱きしめる。
グサッ

刺されるなんて思ってもみなかった、かも。
あぁ、何でこんなにも血って暖かいのかな。
「コロスコロスコロス」
あっやば、また刺すきだわ。
これはやばい。
「えー、マイクテスト、あーあーあー。ん、いけてるな」
何だこの放送。私は今結構取り込んでいるんだが。
「えーっと、言うの忘れてたがお前には近衛を殺してほしい」
え、何だって?
こっち取り込んでるんだけど、もしかしてそれ以上大変な事言わなかったか?
「お前が死ねば、このおりに居るやつが死ぬ。お前が勝てばこいつらと一緒に家に帰してやろう」

私がお嬢様を殺せって?
ふざけるな。冗談きついぞ。
どっちかって言うと、逆に私がお嬢様に殺されそうなんだが?
「ついでに言っとくと、近衛が狂ってるのは私の所為だ。目の前で学園長殺したり、いろんな事やっているとこうなった」
あぁ、お前らがやったのか。口から『コロス』しか言わないように。
あんなにキュートなお嬢様をこんなふうにしたのは……。
「お前が居るその広場に、お前の夕凪あるから。それで殺してやってくれ」
いや、まじでもうお嬢様に殺されちまおうか、皆が死のうが関係ない。
生きる気力もないし………
「刹那さん!私たち、刹那さんが木乃香の事殺せないって分かってる。刹那さんがやろうとしている事、私たち、何も言わないから!」
「明日菜…さん?」
やばいやばい。マジで今、私ヤバくなってなかったか?
私の手に何人もの命かかってるのに、何が死んでもいいだ。ふざけてる場合じゃなかった。
「コロスコロスコロスコロス」
くそ、お嬢様は未だに可笑しくなっている。
「お嬢様、きを持ってください。私と一緒に帰りましょう。学園長が居なくても、まだお嬢様には仲間が居ます。だから…」
バシュッ
うわ!頬かすった。お嬢様こんなにすばしっこかったか?

あ、あった夕凪。お嬢様の向こう岸におありになってる。
しかしあれをとって攻撃を流すでもしないと、私マジで死ぬ。
結構出血もしてるみたいだし…
「コロスコロスコロスコロスコロスコロス!」
お嬢様が大振りで斬りかかって来た。

今がチャンス!

私はお嬢様の脇を通り、すかさず夕凪をとる。
私はお嬢様を…

続かない
 

    [管理人の短編一言感想集] その31
    刹那視点の短編。
    長編で刹那視点の話はたくさんあったけど、短編での刹那視点は珍しい。
    きっと刹那はお嬢様を殺せないんだろうなぁ、と。
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
    お問い合わせはyuyu_negirowa@yahoo.co.jpまでお願いします。
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