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短編No27 亜子優勝END

 
作者:マロン名無しさん
掲載日時:2006/03/13(月) 18:51:18
ネギま! バトルロワイヤル


残酷なゲーム二日目、残り生徒は私を含め三人しかいない。運がいいのかまだ誰とも会ってない。
しかし逆を言えば自分は誰も助けられなかったのだ。放送で友人の名前を聞いてただ泣くことしかできなかった。
それが悔しくてまた泣いた。
亜子「みんな死んでもーた…。もうあのクラスには戻れへんのか…」
その時近くで銃声が聞こえた。今度こそ助けようと銃声が響いた方に走りだした。
そこには腹から血を流している釘宮円と殺意の笑顔のザジがいた。円はまだ生きてた。
私は咄嗟に銃を構えた。今度こそ大切な友人を助けるため、震える手で弾丸を放った。
ドンッという銃声と同時にザジのこめかみに赤い液体が飛び散った。
一瞬人を殺した罪悪感に襲われたが亜子は倒れている円の元へ向かった。

亜子「クギミー!」
円「あ…、亜子…」
亜子「待ってて、ウチが治したる」
円「もう‥無理だよ…」

分かっていた。もう助からない事を。しかし諦めたくなかった。
亜子はこれ以上友人を失いたくなかった。制服で必死に止血していると不意に円は話はじめた。
円「文化祭…楽しかったね…。」亜子は黙ってそれを聞いていた。
円「ライブの時…亜子格好よかったよ…。そしてこれからも、死んじゃった…3-Aのために格好よく生きて…」
亜子「イヤや!クギミー、死んだらアカン!」亜子の涙が円の頬に落ちる
円「クギミーって呼ぶな…。亜子は3-Aの主役…何だからね…主役が泣いてどーすんのよ…」
円に言われ必死で涙を堪える。
円「亜子…最後に…助けて…くれて…ありが…と…ぅ…」円は笑顔のまま目を閉じた
亜子「円…円ぁぁぁ!イヤや!お願いやから目開けて!円!」
必死で叫ぶ亜子の声はヘリコプターの音で掻き消された。

しばらくしてこの事はバス転落事故として報道された。
もちろん政府の隠蔽工作である。亜子はこのゲームの事を口止めされた。
その後、亜子は一週間のカウンセリングを受けた。
そして寮に戻り誰もいないクラスメートの部屋ひとつひとつに謝りに行った。
(ごめんな。ウチ誰も助けられへんかった)
そして亜子は立ち止まった。釘宮円の部屋だった。大きく深呼吸をすると、亜子はドアに手を掛けた。
部屋に入るとギターが飾ってあった。日の光りに照らされてとても神秘的に見えた。不意に円の言葉が頭を過ぎる。
(「文化祭…楽しかったね…。」
「死んじゃった…3-Aのために格好よく生きて…」
「亜子は3-Aの主役…何だからね」)
(主役…、格好よく生きる…。わかったよ、クギミー。)
そして亜子は円のギターを持って部屋を後にした。その顔は何かを決意した顔だった。

 十年後

私はテレビ局の楽屋にいる。あれから死に物狂いでギターを練習した。今では世界的にも有名なギタリストになった。
すべては格好よく生きるため、そして主役になるために。
今日は歌とインタビューの生放送である。そして亜子は十年前自分に誓った事を実行しようとしていた。
それはあの殺人ゲームを暴露することだった。そんな事すればただではすまないだろう。
人殺しのレッテルを貼られるかもしれない。ゲームの関係者に殺されるかもしれない。
しかし亜子は覚悟ができていた。これ以上の犠牲者を出さないために、そして3-Aの誇りにかけて。
(よう見といてなクギミー。もしそっちにいったらまた美砂と桜子で、またでこぴんロケット組もうな)亜子はギターを撫でた。
十年前のあの日から使っているギターだ。
 コンコン ガチャ
「そろそろ本番です」
「ほな行くで」亜子はギターを握りしめた。
舞台に行く途中いろいろな思い出が頭を過ぎった。目が少し潤んだが必死で堪えた。
泣くのはすべてが終わってからだと言い聞かせた。そして…。
司会「続いてはオリコン三週連続一位のこの方、和泉亜子さんです!」
亜子「…行くよ。クギミー…。」
そして大歓声の舞台に向かって歩きだした。

   ―終わり―
  
 

    [管理人の短編一言感想集] その27
    この短編は割りと好き。
    でこぴんろけっとの中で亜子を主役に置いたのが好印象。
    でも、このパターンを美砂や桜子のENDで見てみたかったり。
    by 別館まとめ管理人(YUYU)
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